円錐角膜は男性に多い病気、治療はハードコンタクトレンズ

眼鏡・コンタクトのこと

視力が下がってきたかも

「最近何だか見にくい。」
「眼鏡を作れば見えるようになるっしょ!」
「オレはまだ若いから大丈夫!」
と、見にくさに多少の違和感があるけれど、眼鏡を作れば何とかなると気楽に考えている男性の方、いらっしゃいませんか?

目に異常がなければ眼鏡をかけると見やすくなります。が、眼鏡をかけてもすっきり見えない、視力が改善しない病気があります。

男性に多いとされている病気です。

今回はそんな病気のはなしを書いていこうと思います。

視力が低下する原因

視力が低下する原因は病気によってさまざまです。

目玉はよくカメラにたとえられます。

  • 角膜(黒目) → フィルター
  • 虹彩(茶目) → しぼり
  • 水晶体(目の中にあるレンズ) → レンズ
  • 網膜 → フィルム(※)
  • 強膜(白目) → ボディー

(※)「フィルム」ってスマホ・デジカメが当たり前の若い世代で通じますかね?「写ルンです」世代ではフィルムは当たり前ですが…。「写ルンです」こそ通じないか…(T_T)

クリアな視力を維持するためには上記のパーツがすべて正常であることが求められます。

よく聞く有名な病気、白内障は水晶体が濁り視力が低下します。
緑内障は網膜の神経がやられていき、視野が欠け、視力が下がっていきます。

今回書こうと思っている病気は角膜に異常がおこります。円錐角膜(えんすいかくまく)という疾患です。

円錐角膜とは?

円錐角膜とは、角膜の中心が円錐状に突出する疾患です。アトピーがある方に多いとされていますが、原因は不明の疾患です。

両眼性であり、若い男性に多いとされています。

中学生~高校生の頃に発症し、少しづつ角膜の突出が進行していきます。25歳くらいまでには進行は止まることが多いとされています。

自覚症状としては、視力の低下です。
角膜の突出具合によって乱視が強くなっていきます。そのため、だんだんに見ずらくなっていきます。

円錐角膜の治療は?

「乱視の眼鏡をかければいんじゃね?」と思うかもしれません。
ごく早期であれば、眼鏡での矯正は可能です。眼鏡をかければ視力はでます。

でも、角膜の突出が進行してしまうと眼鏡での矯正には限界がでてきます。

突出が進行した円錐角膜はハードコンタクトレンズで矯正することになります。ハードコンタクトレンズで矯正すると、視力はちゃんとでてくれますのでご安心を。

ただ、このハードコンタクトレンズはそれぞれの患者さんの突出具合に合わせての処方になるので、ちとお値段が高めになっちゃいます。

ハードコンタクトレンズで矯正できているうちはそのまま経過をみていきます。

病気が進行していくとハードコンタクトレンズが装用できなくなる場合があります。角膜が突出しすぎてハードコンタクトレンズがうまく目にのらなくなります。
そうなったら、角膜移植をすることになります。

円錐角膜だった患者さんのはなし

先日、50代の男性が受診しました。
「視力がだんだん下がってきていて、見にくくなってきた。」との主訴でした。

視力を測定してみると矯正視力で両眼とも(0.5)であり、確かに視力がすっきりでませんでした。「白内障だな…」と内心思いつつ、診察にまわしました。

が、診察の結果、視力低下をおこすような原因がみつかりませんでした。
追加で視野検査、網膜の神経の検査(OCT)もしましたが、ほぼほぼ正常!

原因が特定できず、大きな病院へと紹介になりました。

後日、紹介先から手紙が届き、その内容が「円錐角膜じゃね?」ということ。

全く予想していなかった疾患でした。まだまだ勉強不足を感じました。
「円錐角膜=若い男性」という教科書的な頭しかありませんでしたので、大変勉強になりました。

進行する乱視は円錐角膜かも

  • 年々、乱視が強くなってきて眼鏡が合わなくなってきた。
  • 眼鏡を作り変えるたびに乱視が強くなっていく。
  • 眼鏡で以前のような満足する見え方が得られない

と、感じる方がいらっしゃいましたら、医師に相談し、ハードコンタクトレンズでの矯正にチャレンジしてみてください。もしかすると、くっきり見えるようになるかもしれません。

 

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