最近、近視がすすんで見にくさを訴える小・中・高校生が多く来院しています。
コロナの影響でしょうか?
ステイホームでのゲームのし過ぎでしょうか( *´艸`)
- 最近、子どもが見にくそうにしている…
- メガネはかけさせたくないな~
- メガネをかけるとどんどん目が悪くなりそう…
視力検査後に親御さんと話をすると、まだまだメガネや近視にネガティブな印象をもっている人が多いです。
昔よりかはオシャレなメガネも増えてきて、可愛く・かっこよくかけられるモノも多いですが…。
近視のメガネをかけ始めると、どんどん近視がすすむと思われているからでしょうか。
かくいう、私はド近眼!
小3よりメガネをかけていて、今ではメガネはなくてはならない存在です。
そして、おそらく私の息子も近視になるでしょう。
YouTube大好きで、いつまーでも見ています(; ・`д・´)
親になって思うこと…
息子にはメガネをかけさせたくないな~。
やっぱり、思っちゃいますよね~(;^ω^)
メガネは決して悪いものではありません!
重々承知なんですが、ついつい「かけさせたくない!」と思ってしまいます。
視能訓練士なのに…すいません。
そこで、今回のはなしは近視のはなし。
- 近視のメガネをかけさせたくない
- 近視をすすまなくしたい
このように思う親御さんへ
息子のために自分へ
本気でまとめていこうと思います。
子どもにメガネをかけさせたくないあなた、一緒にがんばりましょう。
近視をすすみにくくするワザ
近視をすすみにくくするワザをさっそく紹介します。
後ほど、それぞれについて、詳しく説明していきますね。
- 長時間、近くを見続けない
- 外で2時間以上あそぶ(太陽光をあびる)
- 遠近両用のメガネをかける
- 目薬をつける
- オルソケラトロジー
そもそも近視とは?
近視とは、どんな状態でしょうか?
遠点が眼前有限距離である。
視能矯正学より
近視は、遠くがボヤけて見える状態。
近くは見えるけれど、遠く離れたものにピントが合わず、見にくいものです。
目を細めて見ると少し見やすくなりますよね。
近視は、凹レンズを入れるとピントがはっきり、くっきり見えるようになります。
度数の程度で分類すると…
~-3.0D | 弱度近視 |
-3.25D~-6.0D | 中等度近視 |
-6.25D~-10.0D | 強度近視 |
-10.25D~ | 最強度近視 |
近視は、マイナスで表します。
「D」は単位で、ディオプターと言います。(普通の人は覚えなくていいヤツです。)
できるだけ、近視の度数を強くしないようにしたいですよね。
私は両眼とも-8.0Dのメガネをかけています。
強度近視の分類になりますね(T_T)
なぜ近視になる?
近視の目と近視ではない目は何がちがうのでしょうか?
それは、「大きさ」です。
近視になるか、ならないかは「目玉の大きさ」で決まります。
目玉の大きさの正常値は24㎜です。
だいたい500円玉と同じくらいの大きさです。
6歳~小学校低学年の頃に大人と同じ、24㎜の大きさに成長します。
そこから、目玉の大きさを長くしないようにすれば、近視にならないのです。
目玉の大きさが長くなると近視になります。
1㎜伸びると、近視は-3.0Dになります。
なので、目玉を長くさせないようにしたいのです。
成長期の間、身長が伸びている間は近視が進行しやすい時期なので、その間に近視がすすまないような努力が必要になります。
私の目玉の大きさは、約27㎜です。
正常値よりも3㎜も大きいです。
残念です(T_T)
近視をすすみにくくするワザ
いろんな要因で目玉が長くなります。
目玉が伸びていかないようにするためのワザを掘り下げていこうと思います。
近くを見続けない
近くを長時間、見続けていることはNGです。
ゲーム、スマホ、パソコン、勉強、読書など長時間近くを見続けていると、ピント合わせをしている目が、しんどくなります。
ピント合わせの負担を減らすために、目玉が伸びていくと言われています。
なので、長時間近くを見続けることは止めましょう。
とは言っても、ゲームや読書などは集中しちゃうと長時間見ちゃいます。
そんなときは、ちょっと視線を遠くに外すようにしましょう。
近くから視線を外すのです。
山の向こうとか、地平線とかの遠くまで見る必要はありません。
1m先くらいでもOK!
カンタンに室内でもできますね。
長時間近くを見続けることをさけ、1時間に1回、1分程度、視線を遠くに向けてみましょう。
カンタンですね!
親御さんは、子どもが集中して近くを長時間見ているときは、声かけしてちょっと視線を外させましょう。
外で2時間以上あそぶ
太陽光をあびると、近視がすすみにくくなると言われています。
室内光ではなく、太陽光がいいのです。
1日2時間以上、外で活動するようにしましょう。
でも、最近は外で遊べる場所も少なくなり、子どもたちは習い事や勉強で忙しいし、親は遊びに付き合うのはしんどいし…など、なかなか外で活動する時間をとることが難しいです。
「太陽光をあびる」ってカンタンそうだけど、意外と難しい…。
長雨、コロナ、猛暑など、世の中も大変だし…。
ですが、近視をすすまなくさせるためです。
近所を散歩してみる、庭やバルコニーで遊ぶなど、うまく時間をみつけて太陽光をあびさせましょう。
遠近両用のメガネをかける
近視のメガネをかけるのが嫌なのに、メガネをかける?と思うかもしれません。
遠近両用のメガネは老眼が始まる中高年用のメガネです。
両用のメガネは遠くと近くの2か所にピントがあうように設計されています。
遠・近それぞれにピントを合わせたメガネで近視の進行を予防しようというもの。
そのメガネを子どもにかけさせるのです。
ただ、うまく使えればいいけれど、子どもに使いこなせるどうかは難しい。
そもそもメガネをかけさせたくないのに、メガネをかけるのに抵抗がある!という声が聞こえてきます。
なので、これは、ある程度近視がすすんでしまって、メガネが必要で、でもこれ以上は近視を進ませたくない!という場合に使えます。
近視のメガネを手放せなくなったお子さん、眼科で相談してみてください。
目薬をつける
今、注目されているのが、「低濃度アトロピン」の点眼治療です。
アトロピンは調節麻痺剤です。
調節麻痺剤の働きは、ピント合わせをお休みさせること。
ピント合わせをお休みさせて、目の緊張をとることで近視をすすみにくくする方法です。
目薬をつけるだけなので、カンタンそうですが、まだ一般的には処方されていません。
まず、処方してくれる眼科を探さなくてはなりません。
そして、保険がききません!
自由診療になるので、費用が高くなります。
それでもかまわない!という親御さんは、処方可能な眼科を探してみましょう。
オルソケラトロジー
オルソケラトロジーはたまーにTVなんかでやってますよね。
「一晩つけて寝るだけで、裸眼視力が劇的にアップ!」みたいな!
オルソケラトロジーは、寝るときにコンタクトレンズつけます。
寝ているときにコンタクトで角膜(黒目)を矯正し、裸眼視力を向上させます。
角膜を矯正することが、近視をすすみにくくするといわれています。
でも、これまた、保険がきかず、自由診療になるので費用が高額になります。
また、コンタクトレンズの管理が必要だったり、感染症のリスクもあります。
コンタクトを中止すると、数週間で角膜が元に戻るので、裸眼視力も元に戻ります。
コンタクトを処方してくれる眼科も限られるので、通院が困難な場合もあります。
まとめ
近視すすまなくするのはなかなか難しいです。
本人のやる気、親御さんの努力も必要です。
私は、息子のモノを見る距離に注意していますよ。
息子はYouTubeが大好きなのですが、見ているときは離れてみるよう声かけしています。
30分以上続けて見せないようにも気をつけています!
- 近くを見続けない
- 太陽光をあびる
- 遠近両用のメガネをかける
- 目薬をつける
- オルソケラトロジー
カンタンにできることから始めてみましょう。
近視は悪いものではないのですが、予防できるのであれば、予防したいです。
子どもの目が心配な保護者のあなた、一緒にがんばりましょう!