毎日視力測定しています。
私の仕事は視能訓練士で、視力検査をしています。毎日、さまざまな年代、さまざまなキャラクターの方々を検査しております。なんてことない視力検査なのですが、1人1人答え方が同じではなく特徴があったり、答え方で性格や人柄がなんとなく感じとれたり…と楽しいものです。
長年、視力検査をし続けてきましたが、今回は視能訓練士の立場からみた視力検査について書こうかと思います。視力検査のときによく質問されること、できればあまりやっては欲しくないことなどを書いていきますね(^_-)-☆
視力検査のときの疑問
Q. 目を細めてもいいですか?
A. ダメです。
検査のときは、目を細めず、大きく開けていてください。頑張ってよく見ようとする気持ちはわかるし、大事なのですが、目を細めてしまうと正しい視力検査にはなりません。視力値が変動します。目を大きくあけて、検査にいどんでください。
Q. 反対の目は閉じてた方がいいですか?
A. どっちでもOKです。
検査しない方の目は、開けていても、閉じていてもどちらでも構いません。好きな方でいどんでください。人によっては、片目を閉じていた方がよく見えると感じることがあるようです。開けていても、閉じていても検査にはさしつかえませんので、自信のある方でやってください。
個人的には、両眼を開けておくことをおすすめします。ウィンクが得意ならいいのですが、普通の場合、片眼を閉じると、もう一方の目もどうしても細くなると思います。片眼を閉じ、もう一方の目を大きく開けるって難しくないですか?やってやれなくはないですが、疲れませんか?
両眼大きく開けている方が楽ではないですかね?
Q. ぼやけて見えるんですけど答えていいですか?
A. OKです。
ぼやけて見ていても、ダブって見えていても、多少自信がなくても、答えて大丈夫です。「こっちかな~?」と思う方向があれば、どんどんお答えください。お願いします。多少のカンでもかまいません。答えをいただかなければ、次には進めませんので、どんどんお答えください。
どのくらい見えているのか…の限界値を測定しています。ギリギリのところまで頑張って見てお答えください。自分で勝手に限界を決めて終了しないでくださいね!
Q. 間違って答えたらどうしよう?
A. 心配ご無用です。
子どもの検査のときに何となく感じるのですが、「間違ったらダメ!」と思っている人がいる気がします。間違っても大丈夫です!1回間違ったからといって、即終了する検査ではありません。黒い輪っか(ランドルト環)は同じ大きさのものが5つずつ用意してあります。3つ以上正解すればOKなのです。2つは間違えてもOKになっています。気にせず、こっちかな?と思う方向をお答えください。
ただし、左右は正しくお答えください!老若男女問わずですが、ときどき、左右が混乱して右方向を「ひだり」、左方向を「みぎ」と答えてしまう人がいます。気をつけてくだいさいな。こちらで気づいた場合は、左右を改めて確認させていただきますよ。
できればやってほしくないこと
じーっとみて考え込む
視力検査は指標を提示して、患者さんの答えてもらうのですが…、ずーっと・ジーっと見て考えこんでしまわれるのが困ります。視力検査は一応ルールがあり、「指標を提示してから2~3秒で答える」となっています。あまり知られてはないですが、実はそうなのです。
じっくり、ゆっくり見て答える検査ではなく、パッと見て・さっと答える検査なのです。じっくり見ても構いませんが、ジーっと見てもわからない場合は、「わかりません」で大丈夫です。お答えをいただかないと、次には進めません。あまりにもお答えまでが長い場合は、こちらからせかしちゃいますよ(^_-)
すぐにあきらめる
「この人は、よく見えそうだな!」「この人は見にくそうだな」とある程度予測しながら検査をしています。全部が全部、予測が当たるわけではないですが、長年視力検査をしてきましたので、そういったカン?は身についています。
見えていそうな人なのに、ちょっと指標を小さくしただけで速攻「見えません」という人います。「いやいや、もうちょい頑張って見てよー」と内心は思いますが、お答えをいただいた以上、その言葉を信じるしかありません。
視力検査は自覚的な検査なので視力は本人のやる気が大事です。すぐにあきらめずにギリギリまで頑張って見てください。
検査終了後に「眼鏡処方せんがほしい」という
視力検査が終了した後に、「メガネの処方せんを出してもらえますか?」という方、結構多くいます。本当に申し訳ないのですが、その一言、検査始める前に言っていただくととても助かります。
通常の視力検査と眼鏡の処方せんを出すときの視力検査は、同じようで違うのです。やることは同じなのですが、違うのです。ややこしくて、すいません(;^ω^)
通常の視力検査は視力値がわかればOKです。それだけです。
一方、眼鏡の処方せんを出すときの視力検査は、視力値も大事ですが、度数の決定・左右の見え方のバランス・かけ心地など細かい調整が必要になってきます。時間がかかるのです。
視力検査が終わった後に、眼鏡がほしいと言われると、ふりだしに戻った気分になります。1人の検査なのに2人分やった気分になります。
グチっぽくなりましたが、覚えていたらよろしくお願いしますね!