色覚異常とは?
色覚異常とは、色の識別の異常のことをいいます。
一般的に色覚異常は先天性(生まれつき)であり、進行することはなく、治ることもありません。
色覚異常は男性に多く(約5%)、女性には少ないです(0.2%)。
色覚異常はX染色体劣性遺伝です。
女性はX染色体を2つ持ち(XX)、男性はX染色体を1つしか持たないので(XY)、もれなく男性に多くなっちゃいます。
そのかわり、女性には保因者というものがあります。女性はX染色体2つが異常にならないと色覚異常にはなりません。X染色体1つだけ異常を持っている女性を保因者といいます。
色がわからない、わけではない
色覚異常といっても「色が全くわからない」というわけではありません。
正常とくらべて色の識別が難しい・苦手とういうだけです。
そして、個人差もあります。
ほぼ、正常に近い人もいますし、色の識別を難しく、不得意と感じている人もいます。
色覚検査
眼科で行う色覚検査はいろいろ種類があります。
① 異常があるかを検出するもの (石原式色覚検査表など)
② 異常の程度を判定するもの (パネルD-15)
③ 確定診断するもの (アノマロスコープ)
これらの検査をいくつか行い、総合的に判断します。
①と②の検査は大体の眼科にはあると思いますが、③は大きな施設にしかありません。
色覚検査を希望する場合は、眼科へ事前に検査ができるかどうかを確認してから行くと良いと思います。
2003年以降、学校での健康診断で色覚検査が除外されました。
大人になるまで気づかなかった…
学校での検査がなくなったため、自分に色覚異常があるとわからないまま大人になり、就職のときに初めて指摘されるケースが増えてきています。
そこで問題になることがあります。
色覚異常があると就けない職業があるのです。
パイロットや電車の運転士、警察官や消防士、自衛官などがそうです。こういった職業を目指している場合は、前もって色覚異常の有無、もし異常があればその程度を確認しておくと安心です。
車の運転免許は異常があっても自動車学校の試験で赤、青、黄を見分けることができれば取得できます。
色覚異常は治らない
色覚異常を治すことはできません。
昔は差別や偏見があったようですが、今の時代は正常でなくても「個性」として捉えるようになっています。
独特の色の見え方をしているだけです。
異常があっても日常生活、学校、職場などでは、経験や学習などで色の識別をうまくしている人もいます。
治ることはないので、うまく付き合っていくしかありません。
家族、学校の先生、同僚など周囲の人たちからも協力を得られれば、より過ごしやすくなると思います。まずは、家族が正しい知識を持ち、サポートするようにしましょう。