視覚を奪う病気たち
人は外界からの情報の約80%を視覚から得ているといわれています。
視覚はとても大事ですが、残念ながら病気で視覚を失っている方たちもいます。
今回は視覚を失ってしまう病気についです。
日本人の中途失明の原因疾患
第1位 緑内障
視野が徐々に欠けていく病気です。
視野が欠けていかないように点眼治療が必要です。
緑内障だからといってすぐに見にくくなるわけではありません。長い年月をかけて徐々に進行していくので、早期に発見できれば、生きている間の視力・視野を維持することが可能と思います。
初期~中期は自覚症状はほぼありません。
40歳以上の人口のうち20人に1人は緑内障といわれています。
なので、検診や眼科で発見してもらうようにしましょう。
早期治療を開始し、視力を守りましょう。
第2位 糖尿病網膜症
糖尿病の合併症の1つです。
網膜の血管が詰まったり、出血を起こしたり、網膜剥離を起こしたりします。
糖尿病網膜症もまた、初期では自覚書状がほとんどありません。
糖尿病と診断されたら、眼科も定期的に受診しましょう。
糖尿病網膜症は血糖コントロールをきちんとできていれば、ある程度予防できます。
糖尿病の方は糖尿病網膜症を発症しないように内科の医師の指示に従い治療しましょう。
糖尿病でない方は、糖尿病にならないよう普段の食生活や運動不足などに気をつけましょう。
第3位 網膜色素変性症
夜盲(暗い所や夜、見にくい状態)が特徴であり、遺伝性で進行性の両眼性の病気です。
長い年月をかけて徐々に進行する病気です。
周辺視野が徐々に欠けていき、末期には中心視野のみが残ります。
視野は極端に狭くなりますが、視力は比較的良好に保たれることが多いです。
現在、有効な治療法はありません。
遺伝性なので予防法はありません。
急激に進行する病気ではないので、うまく付き合っていくしかありません。
この疾患は、医療費助成制度の適応となります。基準を満たせば医療費の助成を受けることができます。
第4位 (加齢)黄斑変性症
網膜の中心部にあり、ものを見るのに大事な部分のことを黄斑(おうはん)といいます。
その黄斑部に出血が起こったり、黄斑部が委縮したりして、視力が低下します。
中心部分だけが見にくくなり、周辺の視野は保たれます。
アメリカではこの疾患が中途失明の第一位です。
日本でも高齢化社会や食生活の欧米化などで患者の数は増加傾向です。
タバコを吸っているとこの疾患になる確率が上がります。タバコはこの疾患の危険因子といわれているので、禁煙をお勧めします。
また、緑黄色野菜や魚などを積極的に摂取し、バランスの良い食生活をしましょう。
視力を守るために
中途失明の原因の主な疾患を紹介しました。
自分で予防できるものもありますし、上記の疾患だからといってすぐに見えなくなるわけではありません。
病気の正しい知識をもち、医師の指示のもとしっかりと治療をしましょう。