糖尿病なのに眼科へ行く理由?糖尿病網膜症は自覚症状がない

糖尿病のこと

糖尿病の合併症「糖尿病網膜症」

生活習慣病の1つで糖尿病があります。

糖尿病と診断されたあと、内科の医師に眼科受診をすすめられることがあります。

  • なぜ眼科に行かなければならないのか?
  • 視力は昔から良くて、自覚症状がないのに行く必要があるのか?
  • 前に眼科に行ったときは問題なしと言われた。

と思っているあなた!眼科にも定期的に通院しましょうね。
今回は糖尿病網膜症についてのはなしです。眼科に定期的に通院しなければならない理由を書いていきます。

糖尿病の3大合併症

糖尿病の初期ではほとんど自覚症状がなく、病院へ通う人が少ないです。
自分が初期の糖尿病であることに気が付いていない人がほとんどです。

健診などで指摘されて初めて病院で精査することになります。

「自分は大丈夫!」と思っていても健診でひっかかる人、結構います。
気をつけましょうね。

糖尿病は全身にさまざまな合併症が起こす病気です。
「網膜症」、「神経障害」、「腎症」は3大合併症として有名です。

糖尿病と診断された際には、全身管理をする必要があります。
やっかいな病気ですね…。

糖尿病網膜症とは

眼科と関係があるのは「網膜症」です。

糖尿病網膜症は網膜にある毛細血管が詰まったり、出血したりします。
毛細血管が詰まるために血流が悪くなるので網膜が栄養不足になります。

そこで、栄養不足を補うため「新生血管」という新しい血管を作り出します。

「新生血管で栄養を補えるなんてすばらしい!」と思ってはダメです。
新生血管はとても弱い血管なので、わりとすぐに出血しやすいのです。

目の中で出血すると急激に視力が下がります。
最悪の場合は失明までいってしまいます。

なので、新生血管を作らないようにする。栄養不足にならないよう血液がすみずみまで届くよう、毛細血管を詰まらせないようにするのです。

糖尿病網膜症は進行の程度

糖尿病網膜症は大きく3段階に分けられます。

1、単純網膜症

毛細血管が詰まり、小さな出血が起こる。
血糖次第で改善することあり。
この時点では自覚症状がない。

2、増殖前網膜症

毛細血管が詰まり、出血の数が増える。
網膜がどんどん栄養不足の状態になっていく。
レーザー治療が必要なことも。

この時点でも自覚症状がでないことが多い。
自覚症状がでる方は、飛蚊症や視力低下を感じることもある。

3、増殖網膜症

網膜の栄養不足が進行し、それを補うために新生血管ができる。
出血しやすい危険な状態。
できるだけ早く治療をしなければならない。
治療が遅れると視力の回復が困難なことも。

視力低下や飛蚊症を自覚し、眼科に駆け込んでくる。
そして、ことの重大さに気づき落ち込む方が多い。

1,2の段階では自覚症状はほとんどありません。
3段階目でやっと視力低下、飛蚊症等の自覚症状がでてきます。

2段階目までは外来通院で治療が可能ですが、3段階目までいってしまうと入院しての手術治療になっちゃいます。お金も時間もかかります。

自覚症状がなくても網膜症は進行します。
視力が良好で自覚症状がないと眼科へ行くのをサボっちゃう患者さんがいますが、しっかりと通院しましょう。

「見えなくなってから…」「自覚症状がでてから…」では遅いです。
視力を守るため、億劫でも眼科で定期的に眼底検査を受けましょう。

内科の先生の指示を守って!

そして何より、内科の医師の指示に従い、「血糖コントロール」を続けてください。
糖尿病の基本の治療になりますので。血糖値大事です。
網膜症を発症させないことが大事です。

血糖をいい感じでコントロールしていれば網膜症は発症、進行、悪化しにくいです。

治療を続けることは大変ですが、がんばりましょう!
見えなくなるのはもっと大変ですからね!

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