浦島太郎は原田病

ぶどう膜炎のこと

浦島太郎は原田病?

「浦島太郎は原田病だったと言われています。」
学生時代に講義で聞いた先生からの言葉を先日、突然に思い出しました。

日々、まったりと過ごしており刺激が少なく脳が腐っていきそうなので、今回は原田病についてまとめていこうと思います。わりと若者に多い病気なので、もしかすると身近にこの病気の方がいらっしゃるかもしれません。

できるだけわかりやすくまとめますね。

原田病とは?3大ぶどう膜炎の1つ

眼科には「ぶどう膜炎」という病気があります。「ぶどう」なんて可愛い名前がついていますが、やっかいな病気です。

ぶどう膜とは茶目(虹彩)のこと。茶目に炎症がおきる疾患です。茶目の炎症が眼の中や黒目(角膜)、白目(強膜)まで広がることもあります。この目の中におきた炎症の総称として「ぶどう膜炎」と呼んでいます。

そのぶどう膜炎と呼ばれる病気の中で有名なものが3つあります。「ベーチェット病」「サルコイドーシス」「原田病」です。この3つは3大ぶどう膜炎と呼ばれています。

原田病の症状は?原因は?

原田病はフォークト‐小柳‐原田病とも呼ばれています。
目だけでなく、全身にも症状があらわれます。

目の症状

・両眼にぶどう膜炎を発症
・視力低下 ぼやけて見える
・網膜剥離
・夕焼け状眼底(これ有名ね。目の奥(眼底)は正常であればオレンジ色っぽく見えます。が、荒田病の眼底は真っ赤になります。夕焼けのように真っ赤になるのでこの名がついています。)

全身症状

・髄膜炎症状:頭痛、項部痛(首のうしろあたりが痛くなる)、髄液細胞増多

内耳症状

・耳鳴り
・めまい
・感音性難聴

皮膚症状

・脱毛
・白髪
・皮膚の白斑

原田病の原因とされているのが、メラニン細胞を侵す自己免疫疾患と推定されています。メラニン細胞がやられるので白髪になるんですね。

若者に多いとされています。

原田病の治療はどんなことをするの?

全身にステロイド薬を大量投与します。炎症をしずめるためですね。

眼にはアトロピン点眼、ステロイドの点眼をします。

原田病は型にもよりますが、比較的予後のよい病気とされています。

浦島太郎に照らし合わせてみると…

「浦島太郎は原田病だった。」と言われています。
そのことは、日本眼科学会のHP フォークト‐小柳‐原田病のページに載っています。
興味のある方は見てみてください♪

簡単にまとめてみますと、
・竜宮城へ行った:視力がはっきりみえていなくて、見え方がおかしかった。ちゃんと見えていなかった。
・鯛やヒラメの舞い踊り、竜宮城でのできごと:髄膜炎の症状
・玉出箱をあけておじいさんになる:白髪になる。

すなわち、浦島太郎は原田病であったと言っているのです。おもしろいですね。そう言われればそんな感じがしてくるので発見した方はすごいですね!

昔話と現代の医学を結びつけてみるという発想が、私のような凡人以下の脳ではできないので素晴らしいと思います。

眼科の中では「浦島太郎=原田病」は有名ですが、他の科でもこういう事例があったりするのでしょうか?

 

 

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