間歇性外斜視の症状と治療法 ママにもできる対処方法

子どものこと

子どもの眼の位置がズレている

「うちの子の眼の位置がおかしい。」
「焦点があっていないようだ。」
「どこを見ているのかわからないときがある。」
「視線が合わない。」
など、わが子の眼のことでお悩みの方はいませんか?

もしかするとその状態、斜視があるのかもしれません。

人間の眼は2つあります。左右の眼それぞれの視線が同じところに向かっているのが正しい状態です。片方の眼の視線がズレてしまっている状態を斜視と呼びます。

視線のズレが内側に向いている状態を内斜視、外側に向いている状態を外斜視、上下にズレている状態を上斜視(下斜視)といいます。

今回は外側に視線がズレる斜視、外斜視のはなしを書いていこうと思います。

ときどきズレる 間歇性外斜視とは?

左右どちらかの眼の視線が外側を向いている状態を外斜視といいます。

間歇性外斜視とは、ときどき眼がズレる外斜視のこと。ときどきズレるけれど、まっすぐに視線がそろっているときもあります。

常に視線が外側にズレていて視線がそろうことのない外斜視は恒常性外斜視といいます。

今回はときどきズレる間歇性外斜視の方のはなし。
常にズレているのではなく、ときどきズレるがまっすぐのときもある外斜視。

主な特徴は…
・ボーっと遠くを見ているときにズレやすい
・眠くなってくるとズレやすい
・外でまぶしいときに片目をつぶる…など。

うちの子に当てはまるかも?という場合は眼科で精査してもらいましょう。

視線がズレるとモノがダブって見える?

視線がズレると大人の場合はダブり(複視)を訴えます。ものが2重に見えるということはこの上ない苦痛です。日常生活をまともに過ごすのも難しくなります。

ですが、子どもの場合は視線がズレてもダブりは基本的には感じません。なぜかと言いますと、「抑制」という子ども特有の、眼科的にはやっかいなシステムが発動するからです。

抑制とは、視覚刺激が無意識的に中枢で抑圧される現象のこと。

「????」

よくわかりませんね(~_~;)

簡単に言いますと、「ダブって見えるのが嫌だからダブりを1つ消してやれー。」ということ。脳が勝手に判断し、ダブって見えているモノのうち1つをなかったようにみせかけるシステムなのです。

この抑制が発動してしまうと眼のズレる頻度が多くなったり、ズレっぱなしになったりするので、できるだけ抑制はかからないように眼科的にはしたいのです。

間歇性外斜視の治療方法

間歇性外斜視と診断されましたら、治療の道へと進んでいきます。

①視力の矯正

両眼の視力が正しく発達しているかを確認します。近視・遠視・乱視の有無をチェックし、必要であれば眼鏡を装用することになります。

近視がある場合、きちっと眼鏡で矯正することで眼がズレにくくなったりします。

②ズレの角度が小さい場合は訓練

本人に理解力があり、お家で家族の協力が得られる場合は訓練ができます。
眼科で訓練の方法をお教えします。それを持ち帰り、お家でも頑張れるという患者さんが対象です。

どんなことをするのか?ざっくりといいますと、上記でも書きましたが「抑制」を解除すること。わざとダブりを自覚させるようにします。
「何か逆じゃね?ダブらない方がよくね?」と思うかもしれませんが、とことん「抑制」を除去します。

ダブりを自覚できるようになると、眼のズレる頻度が少なくなり、見た目がおちつきます。

③ズレの角度が大きい場合は手術

ズレの角度が大きい場合は訓練には不向きであり、手術の適応となります。医師と相談し手術時期を検討してください。

①と②はズレにくくさせるためのものであり、間歇性外斜視そのものは残ります。
③の手術は眼の筋肉をいじり、斜視を根本的に治すために行います。

お家でできる簡単な対処方法

たまーにズレる程度の状態だったのが、だんだんに視線のズレの頻度が多くなり、最終的にズレっぱなしになってしまうことは避けたいです。

なので、お家の方にしてもらいたいこと。

視線がズレているなと思ったときは、お子さんに声をかけてあげてください。
「〇〇ちゃん!」と呼んであげてください。

ボーっとしているときや、眠いとき、ものにしっかりと注目していないときにズレやすくなります。声をかけてあげることで意識がはっきりとし、きちんとものをみることで視線が戻ることが多いです。

声をかけてあげることでわりと視線が戻ります。声をかけた後はしっかりとママの顔をみてもらい、お互いの視線を合わせてみましょう。

間歇性外斜視は見た目が悪く気にはなりますが、比較的予後の良い斜視です。

子どもさん自身にズレている感覚はないと思いますので、お家の方がズレていることに気づいてあげ、声かけで戻していただけるといいですね。

 

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