糖尿病の血糖コントロール中に目におこるトラブル

糖尿病のこと

糖尿病はこわい病気

糖尿病はとっても身近な病気になってきました。「40歳以上の3人に1人は糖尿病か予備軍である。」というデータもあるようです。

かく言うわたしも、第1子妊娠時に「妊娠糖尿病」と診断され、将来糖尿病になるリスクが高いうちの1人です。

いったい糖尿病の何がこわいのか?

それは全身におこる合併症です!3大合併症として有名なのが、糖尿病網膜症・糖尿病腎症・糖尿病神経障害です。

糖尿病網膜症については以前にも書きました。興味のある方はどうぞ。

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糖尿病の治療は血糖値をいい感じにコントロールすること。高すぎず、低すぎずにいい感じのところでキープするのが目標です。

その血糖コントロール中に、目にちょっとしたトラブル?が生じることがあります。今回はそのトラブルについてのはなしについて書いていこうと思います。

一時的に老眼になる?

目にトラブルがおこるというと大袈裟かもしれません。が、そのトラブルというのが、一時的に見え方がおかしくなること。

その見え方の表現は患者さんによってさまざまです。
「老眼になってしまった。」
「遠くも近くもボヤけて見える。」
「遠くのものが見えるようになった。」などさまざまです。

訴え方はさまざまですが、この患者さんたちに共通して言えることがあります。それはみなさん目が「遠視化」していること。

どういうことかといいますと、目の屈折異常が遠視の方向へ変化しているのです。
元々、遠視だった目は、遠視の度数がさらに強くなり、手元が見にくく感じます。そのため老眼になったような錯覚になります。

逆に、元々近視のだった場合は、近視の度数が弱くなるので遠くが見やすくなったと感じるようになるのです。

これが一時的に老眼になったと感じる正体です。

眼鏡を合わせなおすのはちょっと待って!

この状態で眼鏡を合わせなおすのはやめましょう。

見え方がいつもと違い、持っている眼鏡も合わなくなったと感じるので、眼鏡を作りなおしたいと受診する方もいます。

が、ちょっと待ってください。

その遠視化は一時的なものです。わりとすぐに元に戻ります。

見え方がいつもと違い不自由とは思いますが、遠視化している状態で眼鏡を作り直してもムダです。新しく眼鏡を作るなんてもったいないのでやめましょうね。

なぜ遠視化するのか?

血糖値のコントロール中にこの現象はおこります。高い状態の血糖値から下げているときにおこりやすいです。

血糖値の高い人は糖尿病の教育入院といって血糖値を下げるため&糖尿病という病気を知るために入院して治療することがあります。この入院期間中に「見え方がいつもと違う」と訴えて眼科にやってくるパターンが多いです。

血糖値が高い状態から急激に下げることで眼の中にある水晶体に変化がおこり、遠視化するようです。ざっくりな説明ですね(^_^;)

血糖値はいい所まで下げなければなりませんが、その下げ方が大事です。急激に下げることはダメなのです。いい感じのペースで下げないと、目が遠視化したり、糖尿病網膜症が悪化したりするのです。

血糖コントロールは内科の専門ですので内科の医師の指示を守り、いい感じでコントロールしてください。

糖尿病の合併症をおこさないために

遠視化して失明することはないですが、糖尿病網膜症が悪化すると失明にいたります。
生きていくうえで視覚は大事な機能です。

血糖コントロールをいい感じでしていれば網膜症の発症のリスクは低くなります。合併症をおこさないために、内科の医師といい感じで治療を継続してください。自己中断はしないようにしましょうね。

 

 

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