高齢者の交通事故 視力も大事 眼科の立場からの意見

患者のこと

高齢者の交通事故に遭遇

先日、近所のスーパーへ買い物に行ったさいのできごと。

駐車場からスーパーの入り口へ向かって歩いていると、何やら人だかり。
何がおこっているのかわからず、辺りを見回し見ると…

何ということでしょう!
駐車場から車がひっくり返って飛び出し、スーパーの前の道路をふさいでいるではありませんか!

何だ?この状態?
とりあえず、野次馬します。

まわりの人たちの話に耳を傾けて情報を得ると、どうやら駐車場内をものすごいスピードで走り、駐車してあった車にぶつかり、その車をスーパーの前の道路まで跳ね飛ばした模様。暴走車は車にぶつかり何とか止まった様子でした。暴走者には高齢者マークがついていました。

幸いにも、けが人はいない様子でした。

ものすごい現場に来てしまったことにびっくり。こんなにも身近な場所で事故がおこるなんて怖いなと思ったできごとでした。

高齢者の視力検査をして思うこと

連日のようにテレビで高齢者の交通事故の報道がされ、「運転能力に問題はなかったのか?」が議論されます。そんな報道をみて思うこと、「ちゃんと見えてるのかな~?」

私は眼科で毎日視力を測定しています。眼科の患者さんは高齢者が多いです。高齢者の視力を測定していて思うこと、「あんま見えてなくね?」

眼科に来ているのだから何かしら不自由があっての来院であり、視力がでにくいことも当たり前なのです。そこは問題ないです。しゃーないっす。

問題なのは、みなさん車でいらっしゃること。私の働く眼科は田舎にあります。車が必須です。バスも通ってはいるのですが、やっぱり自家用車が便利なので、車で来院される方が大半です。

「えっ?この視力で運転してきたの?」「信号見えてるか?」「危なくね?」という方、けっこういます。

「見え方に不自由を訴えながら車を運転して眼科を受診する高齢者!」って怖くないですか?

普通免許の視力 合格ライン

普通自動車の場合、片眼で0.3以上、両眼で0.7以上見えていれば免許はパスできます。眼鏡やコンタクトレンズを装用した状態でパスすると「眼鏡等」の条件かつきます。

「両眼で0.7以上って余裕っしょ!」と若者は思うかもしれません。でも、高齢になってくるとそうは言っていられません。白内障緑内障加齢黄斑変性症など視力を低下させる病気になる可能性が高くなります。白内障に関しては、加齢とともにみなさんなります。

見にくいなと感じたら早めに眼科を受診し、適切な処置を受けましょう。

眼科の視力検査ではアウト

高齢者の交通事故は「アクセルとブレーキを踏み間違えた。」というのが原因の1つとしてあります。運転能力には問題がなかったのか?ということがよく議論されます。

眼科で働く者としてひとこと言わせていただきたい!
「この視力で免許OKしたの?」っていう高齢者が多いです!

眼科で視力測定するときがたまたま調子の悪い日だったのかもしれません。免許センターでは見えていたのかもしれません。視力は変動するものなので、眼科での検査の値が絶対の値ではないです。ただ、’明らかに視力がでにくいな’とうい方も車を運転して眼科にいらっしゃいます。こわいな~と思います。

運転能力も大事と思います。が、そもそもちゃんと見えているのか?も大事と思うんです。免許センターでは正しく視力を測定してもらい、見にくくなったと自覚した場合には運転を止める、ということが必要と思います。

白内障があると、視力はけっこう変動します。
高齢者の方には定期的に視力をチェックすることをおすすめしますよ。

自信がないときは運転は止めましょうね。

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