眼科の検査は金儲けのため?毎回 必要ないのでは?

検査のこと

眼科へ行くと毎回検査をされる

「眼科へ行くと毎回視力検査をされる。」
「金儲けのためにムダに検査をしているんじゃないか?」
という眼科への疑問?不満?を持っている患者さん、けっこういるのではないでしょうか?

患者さんがもつ、このような疑問・不満の大きな原因は医療機関側の説明不足ではないかと思います。

以前にも書きました。眼科で毎回検査をする意味 そんなに必要?

毎回検査するのには意味があります。決してムダな検査はしておりません。ましてや、金儲けのために多く検査をしているということなどはありません。

眼科で毎回のように視力検査をすることは、「眼科的にはあたり前のこと」なのです。ですが、今の時代は「あたり前だから」では通用しませんので、「眼科の検査のあたり前」について今回は書いていこうと思います。

視力検査の必要性

初めて眼科を受診する患者さん(初診)は、ほぼ前例に視力検査をおこないます。左右の眼がどのくらい見えているのかを確認することは大事なのです。実際に視力測定をしてみると、自覚症状がなくとも視力がでにくい方、片眼だけ視力が低下している方などいらっしゃるんですよ。

初めての視力検査の値が基準になり、そこから今後どのように変化をしていくのか?の経過をみていくことになります。再来の患者さんの視力を測定するのはそのためです。経過を確認し、記録(カルテ)として残しておかなければなりません。良くなるのか?悪くなるのか?はたまた変化しないのか?を基準と比較していくことになります。

眼科で治療するにあたって視力はとっても大事な指標なのです!

ものもらいだろうが、ただの結膜炎だろうがその眼がちゃんと見えているかを確認することは必要なのです。

視力検査でのトラブル経験

ここからちょいとだけ、私の失敗談のはなし。

以前に勤めていた職場でのできごと。かれこれ6~7年前くらいになります。
私、新患の患者さんの視力を「当たり前に」測定し、診察へまわしました。40代くらいの男性でした。「ものもらい」を診てほしいとの訴えでいらした患者さんです。何事もなく、普通に終了したと私は思っていたんです。

が、この方、帰りぎわ会計時に何やら怒っていたのです!

「ここの眼科は患者に断りもなく、勝手に視力検査をするのかっ!私はものもらいだけを診てもらえればよかったんだ!ここの眼科は金儲けのために検査をしているんだ!金儲けの眼科だとネットに書き込んでやる!」とのことで怒っていたのです。

「???」
私の頭の中はハテナでいっぱいになりました。

疑問だらけでいろいろ言いたいことはありましたが、患者さんが怒っているのでとりあえず謝罪。「勝手に検査して申し訳ありませんでした」と伝えたのち、ひとまず会計をすませ帰られました。

何とも言えない一件を経験しました。

トラブル経験後の私の対応

上記のトラブルを経験し、「新患の視力検査は当たり前」が通用しないことを学びました。眼科で働きだして5年は過ぎていたときのできごとでした。

その後は毎回検査の前に、「視力測定をしてもいいか?」の同意を患者さんに得るようにしています。新患でも再来でも確認しています。「勝手に検査した!」とは思われたくないですし、自分を守るためです。

「今日は測らなくてもいい。」「目薬だけでいいや。」と検査を断られた場合は、無理強いすることはやめました。どうしても検査が必要な場合は、1度医師から患者さんに検査を受けるよう説明をしてもらうようにしました。

眼科の検査は金儲けのためではない

眼科で必要以上に検査はしていないです。むやみに検査をしても検査料がすべての検査でとれるわけではありません。

例えば、眼底カメラと三次元断層撮影(OCT)という検査機器があります。どちらも眼の奥(眼底)の所見を記録するものです。同じ日にこの2つの検査をしたとしても、1つしか検査料はとれません。診療報酬の決まりごとで、国ががっつりと管理しています。

ムダな検査をたくさんしていると、国から厳しいチェックが入りますのでそれはできません。診断、治療のうえで必要最低限しかしていません。

ただ、眼科はどこの科よりも検査の種類は多いです。とにかく検査機器が多いのです。なので、他科とくらべると「検査をやりすぎでは?」と思われるのかもしれません。

ですが、嫌がらずに検査を受けてくださると助かります。
金儲けのために検査をしているわけではないですが、視能訓練士は検査をして給料をいただいています。どうか、私の仕事を奪わないでくだいね(´ω`*)

 

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