眼鏡で集中力がアップするかも?子どもの発達障害

子どものこと

おちつきがなくて困っている

「うちの子、何だか落ち着きがなくてこまっている。」
「本をたくさん読んでほしいのに、全く興味がなさそう。」
「勉強をさせたいのに、集中力がなくて…。」

と、子をもつ親の心配事は尽きないと思います。

現代の医療はさまざまなことが研究され、解明され、発達してきています。いろいろなことに病名がつくようになりました。

「発達障害」がそのいい例と思います。

昔だったら「ちょっとかわった子」「ちょっとやんちゃな子」ですまされていたことが、現在では「アスペルガー症候群」だの「自閉症」「注意欠陥多動性障害」などと診断されることがあります。

うちの子が発達障害だったらどうすればいいの?と心配な保護者の方もいることでしょう。

今回のはなしは、眼科と関係なくね?と思いでしょうが、そうなのです!専門外です!
すいません(;^ω^)
なので、発達障害のはなしはできません。

が、「おちつきがない」「集中力がない」の原因が眼にある場合があります。
今回は眼鏡をかけただけで、ぐんっと大人になった症例のはなしをしたいと思います。

就学時前の男の子

数年前はなしです。
就学時健診で視力がでなかったとのことで、眼科に精査しにきた男の子が主役です。

お父さんと一緒に来院されたのですが…この子をひとことで表すと「おちつきがない!」。
イスに3秒として座っていられません。待合室の中を大きな声を出しながら、ウロウロと歩き回っています。お父さんの注意が耳に入りません。検査・診察の待ち時間はひたすらしゃべり続け、動き続けます。

「強烈な子が来たなー(>_<)」と内心思いつつ、検査を始めます。
1番始めは屈折検査です。気球を見るやつですね。遠視・近視・乱視の度数を測定します。

右眼+4.0D、左眼+1.0D  (◎_◎;)

専門的ですいません。
説明しますと、とても強い遠視(遠くも近くもボヤけていて見にくい状態)があり、今すぐ眼鏡が必要な眼でした。左右差もあるし、視力が発達するのが8歳までだから、マジで眼鏡をかけなければならない状態でした。

ひとことで言いますと、「このままだと弱視になっちゃうよー」ということ。

視力検査を行いましたが、まー落ち着きがないので検査になりません。答え方も適当だし、そもそも視力検査表をまっすぐ見てくれないし(T_T)
両眼とも(0.2)~ (0.3)くらいでした。そして、医師の診察へとまわります。

弱視の治療

診察の結果、本格的な弱視治療が必要とのことでした。弱視治療へとすすみます。
後日、調節麻痺剤の点眼後に屈折検査を再検すると、右眼+6.0D、左眼+2.0Dでした。

子どもの場合、調節力(ピント合わせ)が強いので、1回目の屈折検査では本当の度数はわかりません。調節力が邪魔をし、遠視の場合は弱めの度数になることが多いので、調節麻痺剤を点眼してから再検します。真の遠視の度数がわかったところで、眼鏡の処方になります。

お父さんに眼鏡の必要性を理解していただき、眼鏡を作ってきていただきました。そして、毎日かけて、生活してもらいました。

その後、半年~1年と経過をみていくと、しっかりと治療に反応してくれました。視力はだんだんと伸びていき、順調な経過でした。今では両眼とも(1.5)まで見えるようになりました。

弱視治療は適切な時期に適切な眼鏡をかければ、予後は良いのです。

男の子の変化が…

視力が安定して出るようになったので眼科的にはOKなのですが、この子はもう一つ大きな変化がみられました。

またひとことで言いますと、「おちつきました」。

視力が伸びると同時に、イスに座ることができ、検査の受け答えもできるようになり、待合では静かに待てるようになりました。素晴らしい成長です!

年齢が上がってきたこともあるでしょうが、おちついたのです。

待っている間は、眼科に設置してあるパンフレットを一生懸命に読んでいます。わからないことがあると、お父さんに質問したり、眼科スタッフにも訊ねてきたりします。

ものすごくいろいろなことに興味を持ち始めました。矯正レンズのこと、自分の眼鏡のことなどを質問されることもあり、視能訓練士が専門的に対応してもすぐに吸収してくれます。

ものすごく頭が良いのではないか?将来は研究者向きではないか?などと勝手に思っています。

眼鏡で集中力アップ?

長くなってしまいましたが、まとめますと、「視力は大事!」ということ。

もって生まれた性格もあるとは思いますが、子どもが落ち着きがない、集中力がないとお悩みの保護者のみなさん、1度眼科での視力検査をおすすめします。人間は外からの情報処理を視覚にたよって生きています。8割も視覚に頼っています。その視覚が正しく発達していないと、おちつきがなかったり、集中力が短かったりします。

子どもの視力が正しく成長しているかチェックしてみてください。
原因が眼にあれば、劇的に変化しますので、びっくりしますよ。

 

 

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